結婚式の新郎挨拶完全ガイド|ウェルカムスピーチ・謝辞・父親の例文と締め方

結婚式披露宴で新郎がゲストへ感謝を込めて挨拶する様子
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こんにちは。硝子彫刻工房 九炉磨蔵の門間です。

結婚式で新郎が行う挨拶は、披露宴冒頭のウェルカムスピーチと、披露宴終盤の新郎謝辞が中心です。ウェルカムスピーチは1~2分・300~400文字程度、新郎謝辞は2~3分・600文字前後を基準にすると、必要な感謝を伝えながら長くなりすぎる失敗を防げます。

最も大切なのは例文を暗記することではありません。誰に、何のお礼を、どの順番で伝えるかを決め、自分が普段使う言葉へ直して声に出すことです。短い挨拶でも、来場への感謝と今後の決意が明確なら失礼にはなりません。

  • ウェルカムスピーチと新郎謝辞の違い
  • 短い・フォーマル・カジュアルな全文例
  • 新郎父・母・父親不在時の両家代表謝辞
  • カンペ、緊張、早口への実践的な対策
  • 忌み言葉、内輪ネタなどの失敗回避策

目 次

結婚式で新郎が行う挨拶の種類と役割

新郎挨拶は、話す場面によって目的が異なります。まず自分が担当する挨拶、持ち時間、父親などによる両家代表謝辞の有無を司会者へ確認すると、内容の重複を防げます。

ウェルカムスピーチと新郎謝辞の違い

結婚式でウェルカムスピーチを行う新郎
スクロールできます
項目ウェルカムスピーチ新郎謝辞
タイミング披露宴の冒頭披露宴の終盤
主な目的ゲストを迎える披露宴を締めくくる
内容来場への感謝・挙式報告・披露宴の案内感謝・今後の抱負・決意
長さの目安1分から2分程度2分から3分程度

ウェルカムスピーチでは、来場へのお礼、挙式の報告、披露宴を楽しんでほしい気持ちを簡潔に伝えます。新郎謝辞では、今日を支えてくれた方への感謝、夫婦としての抱負、今後のお付き合いのお願いを述べます。

両方を行う場合は同じ文章を繰り返さず、冒頭は「歓迎」、最後は「一日を通じて感じた感謝と決意」に分けましょう。新郎だけでなく新郎新婦ふたりで挨拶しても問題ありません。

当社からのワンポイントアドバイス
当社が引き出物や記念品の制作で新郎新婦様とやり取りする際は、名前、立場、数量、納期を一つの確定情報にまとめ、変更後の最新版を全員で共有することを重視しています。
新郎挨拶も同じで、文章の上手さより「誰へ何を伝えるか」と「当日の進行に合っているか」の確認が重要です。
原稿を作る前に、司会者へ持ち時間、挨拶の直前・直後の流れ、両家代表謝辞の有無を尋ねてください。
そのうえで新婦と感謝を伝える相手、名前の呼び方、家族への触れ方をすり合わせれば、言い忘れや内容の重複を避けられます。

結婚式の新郎挨拶に適した長さと基本構成

時間は絶対的なルールではありませんが、ゲストが聞き取りやすく、進行を圧迫しにくい基準があります。文字数だけで決めず、実際に声に出して時間を測ることが必要です。

新郎挨拶は何分・何文字が目安?

結婚スタイルマガジンでは、ウェルカムスピーチを1~2分、300~400文字程度と案内しています。また、マイナビウエディングでは、新郎謝辞を600文字程度にまとめることを勧めています。

スクロールできます
挨拶の種類一般的な目安内容の中心
ウェルカムスピーチ1分から2分程度来場への感謝と披露宴の案内
新郎謝辞2分から3分程度感謝と今後の抱負
短い挨拶30秒から1分程度要点だけを簡潔に伝える

親族中心の少人数婚なら短く温かな言葉、主賓や職場関係者が多い披露宴なら礼を保った表現が向きます。乾杯前のウェルカムスピーチを長くしすぎると、その後の料理や進行を待たせるため、エピソードは原則として新郎謝辞へ回しましょう。

ウェルカムスピーチの基本構成

  1. 来場への感謝:忙しい中、足を運んでくれたことへお礼を伝える
  2. 挙式・入籍の報告:当日の状況に合わせ、事実を簡潔に報告する
  3. 披露宴の趣旨:感謝を込めて席を用意したことを伝える
  4. 結び:料理や歓談を楽しんでほしいと案内する

雨天なら「お足元の悪い中」、遠方のゲストが多いなら「遠方より」と一言添える程度で十分です。天候の話や緊張の説明が長くなり、感謝が後回しにならないようにしてください。

新郎謝辞の基本構成と締め方

  1. 冒頭:出席、祝辞、受付、余興などへの感謝
  2. 本題:今日感じたこと、支えてくれた方への具体的なお礼
  3. 抱負:夫婦としてどのように歩んでいきたいか
  4. 結び:今後のお付き合いをお願いし、改めて感謝を伝える

締めは「未熟な私たちではございますが、今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました」のように、今後のお願いと感謝を一文ずつ置くと明確です。「最後になりますが」は一般に使われますが、忌み言葉を徹底したい場合は「結びに」と言い換えられます。

結婚式で使える新郎挨拶の全文例

新郎の挨拶を笑顔で聞く結婚式ゲスト

例文は完成原稿ではなく、構成を作るためのひな型です。会場の雰囲気、ゲストとの関係、挙式や入籍の状況に合わせ、固有名詞と一つの具体的な気持ちを加えてください。

短いウェルカムスピーチの例文

例文
本日はお忙しい中、私たちの結婚披露宴にお越しいただき、誠にありがとうございます。
先ほど、皆様に見守られながら無事に挙式を執り行うことができました。
本日は日頃の感謝をお伝えしたく、ささやかではございますが、この席を用意いたしました。
短い時間ではございますが、どうぞごゆっくりお楽しみください。

30秒~1分程度に短くする場合も、「来場への感謝」「挙式または入籍の報告」「楽しんでほしい気持ち」の3点は残します。挙式を別日に済ませた場合は「○月○日に挙式を執り行いました」、人前式の直後なら「皆様に見守られ、夫婦として誓いを立てました」など、事実に合わせてください。

フォーマルなウェルカムスピーチの例文

例文
皆様、本日はご多用の中、私どもの結婚披露宴にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。
先ほど、皆様にお見守りいただき、無事に挙式を執り行うことができました。
今日という日を迎えられましたのも、日頃より支えてくださる皆様のおかげと、心より感謝申し上げます。
ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めて宴席を用意いたしました。
至らぬ点もあるかと存じますが、どうぞごゆっくりお過ごしください。

主賓、上司、年配の親族が多い場合は、敬語と礼を優先します。ただし、普段使わない難しい言葉を増やすほど言い間違えやすくなるため、自分の口で自然に言える範囲に整えましょう。

カジュアルで少し面白いウェルカムスピーチの例文

例文
本日は私たちのためにお集まりいただき、本当にありがとうございます。
先ほど無事に挙式を終え、夫婦としての第一歩を踏み出しました。
準備では意見が合わない日もありましたが、本日皆様の笑顔を見て、ふたりで準備してきて本当によかったと感じています。
今日は料理と歓談をゆっくり楽しんでください。
緊張で少し早口になるかもしれませんが、最後まで温かく見守っていただければうれしいです。

面白さは、一部の人だけが分かる内輪ネタではなく、誰も傷つけない短い自己開示で作ります。「新婦に尻に敷かれています」など相手を笑いの材料にする表現より、「緊張しています」「準備で学びました」のように自分へ向けた一言が安全です。笑いが起きなくても成立する文章にしておきましょう。

新郎謝辞の全文例

例文
皆様、本日はご多用の中、私たちの結婚披露宴にご出席いただき、誠にありがとうございました。
また、心温まるご祝辞や余興をいただき、受付をはじめ多くの場面でお力添えをいただきましたこと、心より御礼申し上げます。
今日、皆様からいただいた言葉や笑顔に触れ、私たちは多くの方に支えられていることを改めて実感しました。
今日まで育て、見守ってくれた両親、いつも支えてくれる家族にも、この場を借りて感謝を伝えたいと思います。
そして、準備を一緒に進め、今日を迎えてくれた○○さん、本当にありがとう。
これからは、うれしい時だけでなく、難しい時にも話し合い、互いを尊重できる夫婦でありたいと思います。
まだ未熟なふたりではございますが、今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
結びに、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りし、私たちからのお礼の挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。

新婦への言葉は、本人が人前で伝えられて困らない内容かを事前に確認してください。サプライズを入れる場合も、過去の恋愛、家族の事情、妊娠などの私的情報を本人の同意なく話してはいけません。

新郎父・母・友人の挨拶はどうする?

新郎父の両家代表謝辞は慣例の一つですが、必須ではありません。新郎母、新婦父、親族、新郎本人、新郎新婦ふたりなど、両家が納得し、ゲストへ感謝を伝えやすい人を選べます。

新郎父による短い両家代表謝辞の例文

例文
ただいまご紹介にあずかりました、新郎の父、○○でございます。
両家を代表し、一言ご挨拶申し上げます。
本日はご多用の中、ふたりのためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。
皆様から頂戴した温かいお言葉を胸に、ふたりで支え合いながら歩んでくれることを願っております。
今後とも末永くお見守りくださいますよう、お願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。

父親の謝辞は、自己紹介、参列への感謝、ふたりへの言葉、今後のお願い、結びの順にすると短くまとまります。新郎謝辞も続く場合は、新郎が夫婦の決意を、父親が両家を代表する感謝を中心にし、エピソードを重ねないようにします。

新郎父がいない・挨拶できない場合

父親が他界している、欠席する、人前で話すことが難しいなどの場合、無理に代役を立てる必要はありません。ゼクシィの調査記事でも、新郎、新郎母、新婦父が謝辞を述べた例や、親族へ無理に依頼しなかった例が紹介されています。

  • 新郎が両家代表の感謝も含めて謝辞を述べる
  • 新郎母または新婦父が両家代表謝辞を述べる
  • 親代わりの親族へ、本人の意思を確認して依頼する
  • 新郎新婦ふたりで締めの挨拶をする

選ぶ基準は「慣例上誰が話すか」ではなく、「両家を代表して無理なく感謝を伝えられるか」です。欠席や家庭事情の理由をゲストへ詳しく説明する必要はありません。両家、司会者、式場担当者で話す人と紹介の仕方を事前に統一してください。

新郎友人の挨拶と新郎本人の挨拶は分けて考える

新郎友人の挨拶は、友人から新郎新婦へ祝意を伝えるゲストスピーチです。新郎本人のウェルカムスピーチや謝辞とは役割が違います。友人へ依頼する場合は、持ち時間、順番、避けてほしい話題を事前に伝え、相手が断りやすい余裕を持ってお願いしましょう。

友人スピーチで紹介されるエピソードを新郎謝辞でも詳しく繰り返すと長くなります。新郎は「温かい言葉をありがとう」と受け止める程度にし、ゲスト全体への感謝へ戻すと披露宴の締めとして整います。

新郎挨拶のカンペと緊張対策

結婚式の新郎挨拶で使うカンペ

カンペを使うことは失礼ではありません。全文暗記にこだわって内容が飛ぶより、原稿を用意して確実に感謝を伝える方が安心です。ただし、下を向いたまま読み続けない工夫が必要です。

読みやすいカンペの作り方

  • A4用紙1枚または扱いやすいカードに大きな文字で印刷する
  • 一文を短くし、意味のまとまりごとに行を分ける
  • 「感謝」「挙式報告」「抱負」「結び」など段落の役割を明確にする
  • 顔を上げる箇所、間を置く箇所、固有名詞へ印を付ける
  • 紙の予備を用意し、司会者にも使用を伝える

スマートフォンは通知、画面ロック、照明の反射、電池切れが起こる可能性があります。会場の雰囲気によっては見た目を気にするゲストもいるため、式場に確認したうえで、紙の原稿も用意しておくと安全です。

早口を防ぐには句点で息を吸う

原稿が完成したら、立った状態で少なくとも2回は声に出し、時間を測ります。黙読では自然に見えても、声に出すと息継ぎしにくい文、口に合わない敬語、長すぎる一文が見つかります。

私自身の結婚式では、スポットライトを浴びて多くのゲストから見られた緊張で、息継ぎの位置まで一気に原稿を読み、早口になった経験があります。練習で問題がなくても、本番は呼吸が浅くなることがあります。

句点でいったん止まり、息を吸ってから次の文を始めると決めてください。冒頭の一文、感謝の対象が変わる箇所、最後の一文では顔を上げると、落ち着きと誠実さが伝わります。

当社からのワンポイントアドバイス
結婚式準備の実務では、席次、名簿、引き出物、演出など複数の変更が直前まで動くため、挨拶原稿も古い版と新しい版が混在しやすくなります。
修正時は紙へ書き足すだけで済ませず、全文を差し替えて作成日を記し、新婦と司会者が確認した最終版を一つにしてください。
本番用は大きな文字と短い段落で作り、固有名詞、顔を上げる位置、句点で息を吸う位置へ印を付けます。
前日までに靴を履いて立ち、タイマーを使って2回以上読み、時間を超えたら感謝を削るのではなく、重複する説明や長いエピソードから削るのが失敗を避ける基準です。

新郎挨拶で避けたい忌み言葉とNG話題

結婚式では別れや不幸を連想させる忌み言葉、再婚を連想させるとされる重ね言葉へ配慮します。ただし、原稿作りの最初から言葉だけを恐れるのではなく、内容を完成させた後の校正で確認する方が自然な文章になります。

避けたい表現言い換え例
終わりに結びに
別れる新たな道を歩む
戻る進む
重ね重ね心より

「ますます」など、前向きな文脈では許容されるという考え方もあります。両家や会場の方針、ゲスト層によって受け止め方が違うため、心配な表現は司会者へ確認してください。

過去の恋愛・内輪ネタ・誰かを下げる冗談は避ける

避けるべき話題は、過去の恋愛、下ネタ、政治・宗教、病気や妊娠などの私的情報、容姿や年齢への言及、誰かを下げる冗談、仲間だけに通じる内輪ネタです。新婦や家族が笑ってくれると思っても、本人の同意がなければ話さないでください。

挨拶の面白さは笑いの大きさではなく、緊張や準備中の学びなど、新郎の人柄が伝わる一言で十分です。判断に迷ったら「その場にいる最も事情を知らないゲストも不快にならないか」「10年後に映像を見ても後悔しないか」で確認します。

新郎挨拶の本番前チェックリスト

本番で迷わないため、次の項目を前日までに確認してください。挨拶だけを独立して考えず、披露宴全体の進行へ組み込むことが重要です。

  • ウェルカムスピーチ、新郎謝辞、両家代表謝辞の担当を確認した
  • 司会者に持ち時間と前後の進行を確認した
  • 新婦と名前の呼び方、家族への触れ方、私的情報の扱いを相談した
  • 感謝する相手と内容を箇条書きにしてから原稿を作った
  • 父親などの謝辞と内容が重複していない
  • 忌み言葉、固有名詞、敬称、読み方を確認した
  • 立った状態で2回以上声に出し、時間を測った
  • カンペ、予備原稿、マイクの持ち方、礼のタイミングを確認した
  • 感謝の言葉と最後の一文で顔を上げる印を付けた

挨拶原稿を作り始める時期を含め、準備全体を整理したい方は結婚式は何ヶ月前から準備する?やることを時系列で解説も参考にしてください。スピーチや受付をお願いした方へのお礼は、結婚式のお車代相場と渡し方の基本で役割別の考え方を確認できます。

結婚式の新郎挨拶に関するよくある質問

新郎はウェルカムスピーチと謝辞の両方を行う必要がありますか?

必須ではありません。披露宴の進行により、片方だけ、両方、新郎新婦ふたりで行うなどの形があります。司会者へ担当と持ち時間を確認し、両方行う場合は冒頭を歓迎、終盤を感謝と決意に分けてください。

新郎挨拶は何分くらいが適切ですか?

ウェルカムスピーチは1~2分・300~400文字程度、新郎謝辞は2~3分・600文字前後が一つの目安です。会場の進行が優先されるため、必ず司会者へ持ち時間を確認し、声に出して測ってください。

短い新郎挨拶でも失礼になりませんか?

来場への感謝、場面に応じた挙式や入籍の報告、今後の気持ちが入っていれば、短くても失礼にはなりにくいです。短くする時は感謝を削らず、重複した説明や長いエピソードを削ります。

新郎挨拶でカンペを見ても大丈夫ですか?

問題ありません。大きな文字で短い段落に分け、顔を上げる位置へ印を付けてください。スマートフォンだけに頼らず、画面ロックや電池切れに備えて紙の予備も用意すると安心です。

新郎の父親による両家代表謝辞は必須ですか?

必須ではありません。新郎父が行うことは多いものの、新郎母、新婦父、親族、新郎本人、新郎新婦ふたりが担当する方法もあります。両家が納得し、ゲストへ無理なく感謝を伝えられる人を選んでください。

新郎父がいない場合、誰が締めの挨拶をしますか?

新郎が両家代表を兼ねる、新郎母や新婦父が行う、新郎新婦ふたりで行うなどの選択肢があります。無理に親族へ依頼する必要はなく、家庭事情をゲストへ詳しく説明する必要もありません。紹介方法は司会者と事前に決めてください。

面白い新郎挨拶にするコツはありますか?

笑いを取りにいくより、緊張や準備中の学びなど、自分に向けた短い一言で人柄を出すのが安全です。過去の恋愛、下ネタ、内輪ネタ、新婦や誰かを下げる冗談は避け、笑いがなくても成立する文章にしてください。

本番で言葉が出なくなったらどうすればよいですか?

いったん止まり、息を吸い、カンペの次の見出しから再開してください。文章を飛ばしても謝る必要はありません。「本日はありがとうございます」と感謝へ戻り、用意した結びを伝えれば挨拶として成立します。

記事まとめ

結婚式の感謝と誓いを象徴する白いブーケと結婚指輪

結婚式の新郎挨拶で最も重要なのは、流ちょうに暗記した文章を披露することではなく、その場にいる人へ必要な感謝を、自分の言葉で、分かりやすい順番で届けることです。ウェルカムスピーチは披露宴の入口としてゲストを迎える挨拶、新郎謝辞は一日を締めくくり、感謝と夫婦の決意を伝える挨拶です。両方を担当するなら、冒頭は来場への感謝・挙式報告・披露宴の案内、終盤は当日感じたこと・支えてくれた方への感謝・今後の抱負に分けてください。

長さの判断基準は、ウェルカムスピーチが1~2分・300~400文字程度、新郎謝辞が2~3分・600文字前後です。ただし、これは全国共通の決まりではありません。実際の正解は会場の進行、披露宴の規模、ゲスト構成、両家代表謝辞の有無で変わります。最初に司会者へ、担当する挨拶、持ち時間、直前と直後の演出、マイクを受け取る位置、父親などによる謝辞の有無を確認しましょう。この確認をせず例文だけで原稿を作ると、父親と同じお礼を繰り返す、予定時間を超える、乾杯前に長く話すといった失敗につながります。

原稿は、いきなり美しい文章を書こうとせず、「誰に」「何のお礼を」「どの場面で伝えるか」を箇条書きにしてから作ります。ウェルカムスピーチなら、来場への感謝、挙式または入籍の報告、宴席を用意した理由、楽しんでほしい気持ちの4項目です。新郎謝辞なら、ゲストや協力者への感謝、今日感じたこと、家族や新婦への言葉、夫婦としての抱負、今後のお付き合いのお願い、結びを候補にします。すべてを盛り込む必要はありません。ゲストへ今伝える価値が高いものを選び、同じ意味の文章や長いエピソードを削ります。

例文は構成を確認するひな型として使い、普段言わない難しい敬語、事実と違う挙式報告、自分たちに合わない家族の表現はそのまま読まないでください。短い挨拶でも感謝が明確なら失礼にはなりません。面白い挨拶を目指す場合も、笑いを成功条件にしないことが大切です。緊張していることや準備中に学んだことなど、自分に向けた短い一言なら人柄が伝わります。一方、過去の恋愛、下ネタ、内輪ネタ、政治・宗教、病気や妊娠などの私的情報、容姿や年齢、誰かを下げる冗談は避けます。「事情を知らないゲストも不快にならないか」「後日映像を見ても後悔しないか」を判断基準にしてください。

新郎父の両家代表謝辞は必須ではありません。父親がいない、欠席する、体調や性格の面で難しい場合は、新郎が両家代表を兼ねる、新郎母や新婦父が話す、新郎新婦ふたりで締める方法があります。慣例だけで代役を決めず、両家が納得し、ゲストへ感謝を無理なく伝えられる人を選んでください。親族へ無理に依頼したり、家庭事情を披露宴で詳しく説明したりする必要はありません。話す人と司会者による紹介の仕方を、両家と会場で事前に統一すれば十分です。

カンペは使って構いません。失敗を避ける基準は、カンペを持つかどうかではなく、読んでいる間も感謝がゲストへ届くかです。大きな文字、短い段落、余白のあるレイアウトにし、固有名詞、顔を上げる場所、句点で息を吸う場所へ印を付けます。感謝の言葉と最後の一文だけでも顔を上げれば、印象は変わります。スマートフォンを使う場合も、通知、画面ロック、反射、電池切れに備え、紙の原稿を用意してください。

当社が引き出物や記念品の制作で重視しているのは、名前・立場・数量・納期など、間違えられない情報を最新版へ一本化し、関係者間で確認することです。新郎挨拶でも同じ考え方が役立ちます。直前に修正した箇所を古い原稿へ書き足すと、どれが最終版か分からなくなります。修正後は全文を差し替え、作成日を記し、新婦と司会者が確認した一つの原稿を本番用にしてください。新婦の呼び方、家族への触れ方、主賓・受付・余興などをお願いした方の名前と敬称も、この段階で確認します。

次に行うことは明確です。まず司会者へ担当と持ち時間を確認し、新婦と感謝の対象、家族への触れ方、父親の謝辞との役割を相談してください。次に箇条書きから原稿を作り、忌み言葉、固有名詞、重複を見直します。完成後は靴を履いて立ち、タイマーを使って2回以上声に出してください。時間を超えたら感謝を削らず、重複する説明と長いエピソードを削ります。前日までに本番用と予備のカンペを作り、当日は句点で一呼吸置きます。もし言葉が飛んでも、止まって息を吸い、「本日はありがとうございます」という感謝へ戻り、結びを伝えれば挨拶は成立します。

完璧であることより、誰への感謝なのかが明確で、会場の進行に合い、新郎本人の言葉として聞こえることを優先してください。その3点が整っていれば、多少言い間違えたり、声が震えたりしても、結婚式の新郎挨拶として大切な役割を果たせます。

披露宴全体の準備を見直す場合は結婚式準備の時系列、ゲストへの感謝を形にする品物も検討する場合は結婚式の引き出物相場と選び方をご覧ください。挨拶と同様に、相手との関係、役割、必要な確認事項を整理してから決めると、直前の変更にも対応しやすくなります。

ウェルカムスピーチや新郎謝辞を、披露宴全体のどのタイミングで行うのか確認したい方は、結婚式当日の流れと所要時間もあわせてご覧ください。受付・挙式・披露宴からお開きまでの流れを時系列で確認できます。

この記事を書いた人

硝子彫刻工房 九炉磨蔵
代表 門間 基浩


2007年から約20年に渡り硝子彫刻・名入れ記念品の制作に携わり、300件以上の結婚式の引き出物制作実績があり、その他にも両親贈呈品などをブライダルにかかわる商品を数多く制作してきました。

本記事では数えきれない新郎新婦様との打ち合わせの際にお伺いした内容や経験から、記事を書かせて頂いております

結婚式披露宴で新郎がゲストへ感謝を込めて挨拶する様子

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